日本初の実証実験~アーティスト人材のSTEAM教育への転用~

アーティスト人材の活用を推進する特定非営利活動法人日本アーティスト協会(本社:東京都渋谷区、代表:宇田川哲男)は、2021年3月から11月にかけて、アーティストの役割拡大とSTEAM教育の普及を目的とした「アーティストによるSTAEM教育」の実証実験を行いました。

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■背景

1.アーティストの実情

国勢調査によると、日本には約60万人の芸術家・クリエイターが存在しており、日本で働いている人の約100人に1人が、芸術家・クリエイターという計算です。

年齢別ではその55%を30~50歳が占めており、その7割に就職先(所属先)が存在していません。

つまりアーティストが生計を立てるためには、自身の活動による収益化か、スキルを応用した業務委託の受注など、複数の収入源が必要なのです。

当会が行うアーティスト人材の活用事業は、人材不足の業種とマッチングすることで社会課題の解決に寄与しながら、アーティストの収入の幅を広げる目的があります。

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それだけでなく、活動を続けるために様々な仕事を掛け持ちしていることから、マルチスキルも持っています。

表現活動を行いながらレッスンも生業にしているアーティスト講師も多く存在し、彼らは「自己肯定(セルフエスティーム)」「コミュニケーション」「自己表現」「セルフイメージ」の重要性を熟知しています。

このようにアーティスト講師は日々表現教育を提供しており、音楽やアートやパフォーマンスの教育だけでなく、社会教育、人格形成の面で他教科・科目の教育にも有用であることを今回の実証実験で確認します。

3.STEAM教育の講師とコンテンツの不足の解消

最新の教育方針であるSTEAM教育には専門領域の知見が必要です。

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コンテンツ開発会社が開発・販売する教科を学童や教育施設が購入し、施設の職員やアルバイトスタッフが研修を受けて教えるというケースが大半のため、これをアーティスト講師が習得し指導することで、より質の高い教育を提供できると考えています。

4.アーティスト講師のSTEAM講師化

アーティスト講師の性質から、STEAM教育に関するコンテンツを学ぶことでSTEAM講師として活躍できるのではないかと仮説を立てました。

また、本来提供している表現教育にもSTEAM教育の要素を取り入れることで、新たなコンテンツの創出にも繋がります。

■実証実験

期間:2021年3月~2021年11月末

場所:都内2カ所の学童施設、埼玉県のスポーツ施設、神奈川県のスポーツ施設、都内の通信制高校、都内レッスンスタジオ​​​​​​

受講者:小学1年生~6年生(約40名)、中学生~高校生(約50名、体験入学者含む)

実施内容:プログラミング教育、ロボット教育、文化芸術教育、キャリア教育

従事者:20代女性講師2名、20代男性講師2名、30代女性講師1名、30代男性講師1名

<STEAM教育とは?>

・Science(科学)

・Technology(技術)

・Engineering(工学・ものづくり)

・Art(芸術・リベラルアーツ)

・Mathematics(数学)

先進国で数年前から学校教育の軸となり、日本でも文部科学省や経済産業省が方針を打ち出しているものの、まだまだ教育コンテンツも人材も不足しています。

■実施方法

1.講師に4時間×2日間の研修を実施した。

2.下記の場所にてそれぞれのレッスンをアーティスト講師が担当した。

・都内2カ所の学童施設:プログラミング(週2回)

・埼玉県のスポーツ施設:音楽(週1回)

・神奈川県のスポーツ施設:ロボット(週1回)

・都内の通信制高校:音楽+キャリア(職業学習)(隔週1回)

・都内レッスンスタジオ​​​​​​:音楽+キャリア(職業学習)(週3回)

■結果

・全ての施設で立ち上げ初月から順調に受講者が増加

・プログラミング、ロボットの受講者の継続率は100%

・プログラミングは開講した2校舎とも満枠

・ロボットは満枠となり別途2クラス増設予定

・音楽教育は3名離脱

・クレーム発生なし

■結論

アーティスト講師はSTEAM講師として転用可能である

■所感/課題

・STEAM教育は義務教育課程にも関わる教育のため、保護者の関心が高い。一方で明確な成果を求められるので、成果物の明示が重要。

・中学生以上に対しては、講師本来の持つ音楽・アートの領域の仕事を学習する実践教育のニーズが大きい。

・STEAM教育の教材によって教育する側の難易度が大きく左右される

・STEAM教材が高額で導入できない、STEAM教育に対応した講師がいない、予算がないといった理由から、専門教育を謳っていながら自社職員や学生アルバイトに講師をさせる施設も見受けられた

・制作物があり達成感のある仕組みのコンテンツ(プログラミング、ロボット)は継続率が高い。

・目標設定が曖昧なコンテンツ(音楽、アート)は継続率が安定しないため、他のSTEAM教科から取り入れるべきメソッドがあると感じた。

・講師の評判による受講生の増加が認められた。講師の相性や評判で離脱した声は0。

・男女比で女子1名である点が原因で離脱した事例があったので、男女比の調整は必要。

・アーティスト講師の本業の報酬に比べ半分程度の報酬設定をされた場合、継続が難しい。

<エデュテイメント事業について>

日本アーティスト協会ではアーティストによる教育をエディテイメント事業として展開しております。

アーティストを活用した教育コンテンツの開発や、アーティスト講師の転用などを行っております。

<取材・お問合せ先>

特定非営利活動法人日本アーティスト協会

メール:udagawa@umamitasu.com

電話:090-8331-1477

<特定非営利活動法人日本アーティスト協会>

メジャーデビュー経験を持つアーティスト専門家の宇田川を中心に2015年に発足。

アーティストの持つ創造性や多様性を社会の課題解決に役立てるプロジェクトを企画している。

教育コンテンツの企画にも定評があり、大手プロダクション、専門学校、高校、学童などに提供中。

現役アーティストへのビジネス教育、仕事のマッチングなど、表現で生きていくためのキャリア形成支援を行っている。現役クリエイターによる音楽・動画・デザイン制作も可能。

[所在地]〒151-0072 東京都渋谷区幡ヶ谷三丁目39番12号 渋谷ウェストビル1階

[代表者] 宇田川哲男

[設立認証年月日] 2015年07月29日(東京都に移転:2017年06月06日)

[法人番号] 6040005018706

[事業内容] キャリア支援、ブランディング、教育コンテンツ開発・提供、講師派遣、イベント企画

[活動分野] 保健・医療・福祉/社会教育/まちづくり/学術・文化・芸術・スポーツ/国際協力/子どもの健全育成/職業能力・雇用機会

  • 本件に関するお問合わせ先

特定非営利活動法人日本アーティスト協会

代表:宇田川 udagawa@umamitasu.com